トウモロコシの概要
科目 | イネ科 |
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適正pH | 6.0〜7.0 |
輪作期間 | なし(連作可能) |
種・苗 | 種からがオススメ! |
植付株間 | 株間30cm、条間(列)45cm |
陰・陽 | 陽生植物 |
畝の形 | 幅70cmの平畝 |
支柱 | 不要 |
マルチ・トンネル | 初期段階でビニールマルチとトンネル(防虫ネット)設置。あとから取り外す。 |
元肥量 | 堆肥3〜4kg/㎡、肥料200g/㎡を全体にすき込む。 |
追肥量・間隔 | 丈50cmでマルチを外し肥料100g/㎡をまく。 |
コンパニオンプランツ | 枝豆、インゲン(窒素固定) |
受粉 | 95〜99%は他家受粉。自家受粉も可能。風媒。 |
主な栄養素 | 炭水化物が7割を占める。葉酸、モリブデンが豊富。 |
出身地 | メキシコ、ボリビアなど中南米。 |
栽培カレンダー
3月下旬〜5月上旬
害虫被害を避けるため種まきは早いほうがいいです。
5月以降
本葉が1〜3枚出たら1回目の間引き。
本葉4〜5枚、丈が30cm程度になったら2回目の間引き。間引きは見た目育ちが悪そうなものを選びハサミで切る。
5月中旬〜7月上旬頃
7月中旬〜8月中旬
トウモロコシの栽培手順
種選び
他の野菜と違ってトウモロコシは品種選びが大切です。なぜなら違う品種同士で受粉をしてしまうと実の色が混ざったり、味が悪くなったり硬くなったりするからです(キセニア現象)
だから自分の畑(土地)で栽培するのなら一つの品種に絞り、シェア畑など近くに違う人の畑がある場合は周りと品種を合わせる必要があります。
だから土作りより何よりまずはどの品種のトウモロコシを栽培するのかを決めるのが一番最初のしごとになります。
畑の準備
- 土作りは遅くても植付の2〜3週間前までに行う(微生物が堆肥を分解するための時間)
- 1㎡あたり堆肥3〜4kg、肥料200gを畝全体に混ぜます。
トウモロコシは背が高くなる野菜なので畑の北側に植えて他の野菜を日陰にしないように場所を計画します。また連作障害がないため基本的に場所を変える必要がありません。
畑を深さ20〜30cmの深さまで耕し、堆肥を3〜4kg/㎡、肥料を200g/㎡を畝全体にまき混ぜ合わせます。
幅70cm、高さ10cm程度の平畝を作り保温・保湿のためにマルチングシートを敷きます。
種まき
- 気温が20℃以上になる時期に種をまきます(かつできるだけ早めの時期に)
- 受粉のことを考えて2条(列)、株間30cmで種をまきます。
- 1箇所に指で2cm程度穴を3箇所開け、3粒の種をまき土をかぶせてしっかり押さえます。
種まきは早い時期に行うことをオススメします!なぜならトウモロコシを食い荒らすアワノメイガの幼虫被害を減らすためです。
2条、株間30cmで1箇所あたり3粒の種をまきますが万が一3粒とも発芽しなかった場合を考えて空いているところに予備として種まきをしておくと安心です。
種をまいたらしっかり水をあげて防虫ネットもしくはビニールで保温をします。トウモロコシは発芽温度が20〜30℃と比較的高いので種まき後の保温があとの生育に大きく影響してきます。またハトが種を食べてしまうことも防ぐことができます。
間引き
- 1回目は本葉が1〜3枚出たとき。
- 2回目は本葉が4〜5枚、30cm程度の大きさになったとき。
間引きは2回に分けておこない、間引くときは残す株の根を傷めないようにハサミで切って間引くようにしましょう。
追肥・土寄せ
トウモロコシが50cmくらいになったら防虫ネットとマルチングシートを取り外します。100g/㎡の肥料を株の周りにまいて株の土寄せをします。
株元に土を寄せることで倒れ防止対策になり、不定根(ふていこん)の発生を促せます。
不定根とは茎などから発生する根のことです。トウモロコシでは土寄せをすることで株元に不定根が発生しやすくなり株を支える役目をしてくれます。
また株元から脇芽が出てきますが切らずにすべて残します。理由は葉数が増えて光合成が活発になりエネルギーをたくさん作ることができること、根張りがよくなり株の倒れ防止対策にもなるからです。
昔は主枝の成長を阻害するという理由で脇芽を切り取るのが主流でしたが最近は考え方が変わりました。
受粉
- 雄しべ(雄穂)と雌しべ(雌穂)がついたら人工授粉をします。雄穂を切り取り雌穂に花粉を落とすか株を軽く叩いて受粉を促します。
- 受粉が終わったら雄穂は切断してしましましょう(害虫対策)
トウモロコシの雌しべは「ひげ」です。ひげの一本一本と一つ一つの実がつながっていて受粉が中途半端だと歯抜けのトウモロコシができてしまいます。だから受粉は大切です。
自然界ではトウモロコシの受粉は風により行われます(風媒)。風による受粉の確率を上げるためには1条(列)より2条(列)のほうが効率が良くなるのでトウモロコシの種まきは2条にするのがオススメです。
ただ、風に頼るよりあなたの手で受粉をしたほうが確実なので雄穂と雌穂が出揃ったら人工授粉をして歯抜けトウモロコシを防ぎましょう。
また、害虫(アワノメイガ)は高確率で雄穂に集まります。そのため受粉後は雄花を切り取ると食害をへらすことができます。実際僕の畑は無農薬ですが食害が一切なく、隣の畑はアワノメイガ被害が出てしまっていました。
摘穂(摘果)
1番上のトウモロコシを残してそれより下のものは下向きに折り曲げるようにしてとりましょう(摘穂)。
これは1つのトウモロコシに栄養を集中させて実を充実させるためです。2つ残すやり方もありますがトウモロコシのサイズが小さくなる可能性もあるのでオススメは1つ残しです。
摘穂したトウモロコシはヤングコーンとして食べることができます。ヤングコーンはとっても美味しいです!
鳥害対策
実が膨らみ収穫が近づいてくると喜ぶのは人間だけじゃありません。カラスもまだかまだかと狙っています。
「よし!明日収穫しよう!」と思って畑に行くとカラスに先を越されたという話はよく聞きます。
だから実が膨らんできたら鳥害対策をしましょう。ホームセンターなんかに行くとくるくる回るものやカカシ、キラキラテープなどいろいろなものが売っています。どれを選んでもそれなりに効果はあると思いますがオススメはネットです。
理由はカラスの食べ方です。カラスは空からトウモロコシめがけて降下するわけではなく、一度畑に降りてきてからトウモロコシを品定めします。
だからトウモロコシの周りにネットを1周まいておくとトウモロコシを取りづらいので面倒になって諦めます。専用のネットか防虫ネットを利用してカラス対策をしてみてください。
収穫
- トウモロコシのひげが濃い茶色になったらタイミング。
- 気温の低い早朝に収穫すると糖度が高くて甘い。
- 収穫後は鮮度が著しく低下するので早めに食べる
雌穂のひげ(絹糸)が濃い茶色になったら収穫のタイミングです。下向きに折り曲げるように豪快に取りましょう!
お子さんがいらっしゃるのであればぜひ一緒にやってみてください。素敵な思い出になりますよ。
収穫後は糖度がどんどん落ちていくので急いで家に持ち帰り食べてください。スーパーで買うものとは比べ物にならないくらい甘くて美味しいトウモロコシに感動すること間違いなしです!!
おすすめ品種
- 高品質で食味は極上。
- 生で食べられるほど皮の柔らかい黄色のトウモロコシ(生食では、量・体質などによりお腹がゆるくなることがあります)
- 大きな穂にツヤのある粒がきれいに並び先端までしっかりと実が付きます。
初めての方でも上手に育てることができると思います。やはり味は極上で電子レンジで調理して食べたらほっぺが落ちるかと思いました。オススメです!
その他のトウモロコシ情報
原産地
メキシコ〜南米北部が原産地。
トウモロコシが好む気候は温暖で日当たりがよい気候です。適度な水分も必要で、乾燥も過湿も好みません。粒の肥大が悪くなってしまいます。
梅雨の間はビニールマルチで水分の過剰摂取を防いだほうがいいかもしれませんね。
ダイエッター食べ過ぎ注意!トウモロコシの栄養素
100gあたりのカロリー
- 92kcal
100gあたりの三大栄養素
- タンパク質:3.6g(4.4kcal)
- 脂質:1.7g(15.3kcal)
- 炭水化物:16.8g(67.2kcal)
ビタミンB12とともに赤血球の生産を助けるビタミン。またDNAやRNA、タンパク質の合成を促進するので細胞の生産や再生を助けます。だから胎児にとっては重要な栄養素です。
鉄欠乏性貧血を予防する効果があります。ぶっ倒れた事がある人は是非トウモロコシを召し上がってください。
その他ナイアシン、ビタミンB1、マグネシウム、銅、カリウム、亜鉛が多く含まれています。
とりあえず体にいい食べ物であることに間違いはなさそうですね。ただ、炭水化物が7割を占めるハイカロリー野菜なので食べすぎには注意です!